トランプ大統領誕生に振り回される株式市場
日経新聞を読んでいたら『FX取引、個人萎縮 相場読みづらく2カ月連続減』と見出しが出ておりました。アメリカでトランプ大統領が誕生してからいくつもの政策が次々と発表され、株式市場を中心にその度に振り回されているという感じです。この状況では一般のFX取引をする方はついていけないというのが本音でしょう。正直、私もマーケットに対するコメントを求められると答えるのですが、すぐにトランプ大統領の発言で逆に動いたりして悩める日々が続いております。
メキシコとの国境や移民問題がクローズアップされている中、金融規制を見直す大統領令に署名しました。これはリーマンショック後に制定されたドット・フランク法の見直しがメインとなりますが、簡単に言いますと、リーマンショック後、こういった危機の再発を防止するために過度に規制が行われて、企業活動に悪い影響が出ているためそれをやめるということです。確かに今、バンカーと話をすると、こういった金融機関のリスク管理の規制ため何もできない、もしくはやれることがどこの銀行も同じといった話を聞きます。どんな業種でも規制というものが成長を阻害するということがあります。特に金融はお金の流れ(人間で言えば血液の流れ)を止めてしまう可能性があるので全業種に影響があるということです。
トランプ大統領のブレーンの中にはゴールドマン・サックスの出身者が多く、今後どちらかと言えば金融機関寄りの政策が出てくると考えられます。さらには税金を下げるといったことも選挙選の中でありましたから、こういった政策は金融業界さらには株式マーケットにとってはプラスの材料になる可能性が高いと思います。
大統領令の法的根拠とは?
そもそもこの大統領令って何なの?と思いませんか?
すごい力があって大統領の考え一つで全てが決まってしまうような?
(以下、ニューズウイーク日本版からの抜粋です。)
大統領令とは、行政府の長である大統領が連邦政府機関(軍を含む)に対して発する命令のこと。米政府・政治の資料サイトThisNation.comによれば、大統領令を出す権限の根拠は合衆国憲法第2章第1条の「執行権」にある。第2章第3条には、大統領は「法律が忠実に執行されることに留意」すべしとの文言も。ただし、権限の範囲が憲法で明確に定められているわけではない。
大統領令の効力は?
大統領令に議会の承認は必要ないが、議会が成立させる法律とほぼ同等の効力を持つ。むしろ法律のように時間がかからないため、大統領がすぐに政策を実行できる便利な手段といえる。議会が通した法案を拒否できる「大統領拒否権」と並んで、大統領の強力な”武器”であることは確かだろう。ただし、前述の「法的根拠」にあるように、命令は連邦政府機関に対するもので、その効力は連邦政府内に留まるとされる。
また、入国禁止の大統領令はすぐさま実行に移されたが、例えばメキシコ国境の壁は誰の負担でどのように建設するのか。予算案を議会が承認しないことには実現しないだろう。本誌ワシントン支局のエミリー・カディはこう書く。「大統領令そのものが新政権の主要な政策を前進させる見込みはほとんどない。そもそも、具体的な政策というより、メッセージを発信して新政権の方向性を示すものだという見方もある」
熊田昌彦/MAC
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