世界のトップ62人が世界の下層36億人分と同じ富を持つ
「 見えざる手」に導かれて繁栄してきた市場経済
(2016年10月24日付ブログ)
先日、NHKを観ていたらNHKスペシャル | マネー・ワールド ~資本主義の未来~第1集 お金が消える!?という番組をやっていました。
爆笑問題の二人が笑いを交えながら真剣に資本主義の未来を語っていました。
240年前、イギリスの経済学者アダム・スミスが『国富論』を書き、有名な「見えざる手」という言葉を使い、
投資家がベストだと考える行動をそれぞれに行うことにより、
市場は最も効率的になり結果的に経済を成長させるということを述べ、
人々が欲望のまま行動することが社会・経済を繁栄に導くということを主張しました。
その後世界の資本主義は驚異的な成長を示し、何度か不況を経験しながらも再度経済成長の流れに向かうことができました。
市場経済の成長は続かないのでは
しかしながら、今回は違うのではないか?
リーマンショック以降、世界的な低金利政策を取りながらも世界の経済成長は一定のところまで戻った後、横ばいが続いている。
そして、経済成長を示す3大エンジンと言われる数字
1. 実質成長率
2. 利子率
3. インフレ率
どれを取ってもマイナスの状況となっている。
経済成長をアメリカを例にとってみると、
まず、自国の開拓から経済成長が始まり、
1960年ぐらいから世界へ進出し始めた。
そして、2000年ぐらいには150カ国への進出となっています。
世界に約200カ国があると言われていますが、そのうち150カ国に進出すれば確かに地理的な限界が来たと言えるのかもしれません。
次に金融という分野への進出を行い、実体経済よりも金融の総額が大きいというところまで到達し、リーマンショックによって破綻が起こったという流れです。
いや、市場経済の成長は続く
資本主義は今後、どうなっていくのか?
・技術の革新(AI 等)
・宇宙開発
によって、まだまだ資本主義は保たれ成長してゆくという考え方もあります。
この番組の中で提起されていた一つですが、シェアリング・エコノミーというのが現実的であり、納得させられるものでした。
UBER 時価総額 7兆円 (7年)
Air B&B 時価総額 3兆円 (8年)
非常に短期間に歴史のある世界のトップ企業と肩を並べる企業価値となっております。
現在あるものを利用しシェアすることによって、新たな経済価値を生み出す。
この事業アイディア自体が革新的と言えるが、今までになかった新技術を開発しているわけではない。
既存のビジネスは大きな影響を受け消えてゆく可能性もある(創造的破壊)。
しかもこのスピードは非常に早いという特徴があります。
なぜなら新しいものを作り出さなくても良いのですから。
生み出された経済価値と失われた経済価値と両方があるので全体としてみれば成長をしていないように見えますが、シェアリング・エコノミーの場合、旧来の資本主義と違って資本家が富を独占するという形から、参加者が増え、よりたくさんの人が富の分配を受けることができるといった違いがあります。
IoTと言われる時代が来てすべてのものがインターネットでつながりこのシェアリング・エコノミーは巨大化する可能性があります。
資本主義の未来
資本主義の未来というと大変なことのように思われるかもしれませんが、アダムスミスの「見えざる手」はなんでもひたすら欲望のまま儲けよと言っているわけではありません。
共感ということを言っています。
今の経済が行き過ぎだと思う人がいればブレーキをかけるかもしれません。
環境問題を考えて開発を止めるというのはまさにその例です。
この環境を守りたいということも欲望の一つであり効率的になる要因なのです。
資本主義の現在と未来に期待したいと思います。
熊田 昌彦/MAC
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