先日友人と話をしていて、スイスのプライベートバンクにお金を預けるメリットってなに?と質問されました。
現在、海外にお金を持っていくだけで税金から逃れらるとか隠せるといったことはありません。しかし海外で資産を守るということがどのくらい重要な時代なのかということは、金融マンであれば誰もが理解しているところと思います。
日本の GDP約550兆円に対して政府の公的債務1,100兆円です。(実際にはもっとあるという計算もありますがここでは省略します。) GDP に対して約238パーセントとなってます。先進国の中でGDP に対する政府債務残高の多さで言えば、次がイタリアであり、134%という数字になります。そしてこの日本の550兆円という GDPについて見ると、次の1980年頃、250兆円という額でした。これが2020年に550兆円になったということです。2倍以上になってまあまあすごいじゃないかと思われるかもしれませんけども、これは他の先進国と比べれば圧倒的に小さい伸び率です。
私が学生の頃、中南米、メキシコ、ガテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、アメリカとバックパッカーで歩いてどこの国においても圧倒的に日本の強さを感じました。その後フラットな時代と言われる時代になり、新興国が急成長しております。日本人が黒電話からプッシュボタンになり、携帯になりスマートフォンになるという段階を経て成長していく中で、新興国の人は生まれて初めて持った電話がスマートフォンという時代になっています。いわゆるジャンピング現象が起こっているわけです。
その間、日本においてはバブルが弾け国の資金繰りが苦しくなり国債を増発して経済を維持してきました。そしてさらに苦しくなり、国債を日銀が買い付けることによって、言ってみればお金を輪転機でどんどん刷ってやっとこさ国家財政を維持している状況です。いや、そんなことはしていないと政府は言うのかもしれません。しかし実際に政府が発行した国債約1,000兆円のほぼ50%を日銀が買っているわけです。厳密には国債を引き受けたわけでありません。一旦銀行が引き受けたものをセカンダリーで買うというやり方ではありますが、日本の国が国債を発行して資金を調達するために発行した国債を日銀が買ってるわけですから、日銀が通貨を増発して国の資金繰りを援助しているということと同じだと思います。
さらには日本の一般会計歳出総額約100兆円の内、35%は社会保障費ですつまり国民の医療・介護・年金・福祉等に所得の再配分がなされているということです。もちろんこういった所得の再配分っていうのは悪いことではないわけですけれども、若い人たちが稼いだものの相当の額が社会保障費に回ってしまう状況ということです。こういった状況で日本の成長が期待できると判断できるかということです。心の中で日本は大丈夫だと思っているかもしれません。しかしこれから長い人生のある若い世代にとっては到底日本に生まれたからというだけで、納得できる状況ではないと思います。
こう言いながらも、いやいや40代50代もしくは60代の人にとっても差し迫った問題であり、大丈夫だと高を括っていれる状況ではないと誰もが思っているのではないでしょうか。その時に向けて金融マンは資産を外貨で保有する、資産を海外に移す・分散するということを顧客にアドバイスするということが重要になると考えます。
そして誰もが自分の力で外貨を稼ぐ力・スキルを持つことが大切なことは言うまでもありません。若い世代が海外に職を求める、もしくはこれからの経営者が海外に進出するということが当然のことと考えられるでしょう。海外に出るということは日本のマーケットよりもはるかに大きなマーケットはあります。当然大きなチャンスがあるわけです。そこに挑戦して欲しいなと心から思います。今や相当な人が海外に出ていると思われるかもしれませんが、私の個人的な感覚ではまだまだです。間違いなく日本人のビジネス能力は高い。そして外国からも一緒にビジネスをすることを求められている。だからこそもっともっと海外に出るべきと思います。
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