米・民主党、共和党両党議員の出馬表明からおよそ2年半。
先日11月8日に行われた4年に一度の一大イベント「アメリカ大統領選挙」は、共和党のドナルド・トランプ候補の勝利という大サプライズで終演を迎えました。
私自身、民主党代表のヒラリーさんが勝利すると思っていましたが、両者の支持率は最後まで拮抗していましたし、また6月にイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票の結果を考えると、トランプ氏の勝利は予め想定をしていなければならない結果だったと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、この選挙結果を受けて8日のマーケットは大きく揺れ動き、株価、為替共に今年一番の動きとなりました。
日経平均株価は一時1,000円以上も下げ、米ダウ工業株30種平均やS&P500指数の先物も大きく売られていましたが、実際は日本株は翌日には反発し、米株の現物は一度も下げること無く、逆に急騰しました。
これは、トランプ氏の経済政策をしっかり聞いている方にとっては当然の結果でした。
トランプ氏の主な政策は、
・イエレンFRB議長更迭をも視野に入れた、金融緩和政策の継続
・金融規制の緩和
・大規模な減税(法人税減税、相続税廃止)
・海外にため込まれた企業資金の環流と設備投資促進
など、株価にとってはプラスになる公約が多かったからです。
もしもトランプ氏が勝利した場合に世界が混乱に陥ると考えていたならば、もっと前以てリスクの小さいポートフォリオにしておく必要がありましたし、結果が出てから慌てて狼狽売りをしている様では、中々投資で勝つことはできません。
結果論ではありますが、イギリスのEU離脱投票の時を考えると、損切りを悩むよりも逆に買い時に備えてキャッシュを用意する必要があったのではないでしょうか。
しかし、この株高はこのまま続くのでしょうか?
現在の株価、債券価格は実体経済からかけ離れた状態、所謂”バブル”ではないかという見方は根強くあります。
また2009年から続く米株の上昇トレンドは、すでに7年にもなります。
リーマン・ショックの様な金融システム崩壊の危機に陥る可能性は低いとは思いますが、トランプフィーバーを他所に、そろそろ次のシナリオを考える時かも知れません。