2017.09.21
ブログ🖋『投資を行う仲間たちへのレター』投資動向や海外ビジネス心得
millionadmin
【ブログ】日米の金利政策
FRBの量的緩和集結、保有資産の縮小へ
9/20、米連邦準備理事会(FRB)が開催されました。ここで決定され発表されたことは、量的緩和を集結し保有資産の縮小を始めるということでした。リーマンショックが起こった2008年以降大量に購入している米国債などの保有を段階的に減らすということです。
この保有資産の圧縮によって、米国債等の満期があった場合、再投資をせずにその額を減らしていくということになります。そうすると金融メカニズム上どんなことが予想されるかというと、債券が買われないということは債券が安くなるということになります。そして債券が下がるということは金利が上昇するということになります。自国の債券を中央銀行(言ってみれば政府)が買うということは自分で債券を発行して自分で買っているようなものなので金融の仕組み上おかしな形になっている訳ですが、リーマンショックという特別なことが起こった時にはそれしか方法はないということで取られた政策でした。それを金融も安定し景気も良くなってきたので普通の形にしようというのが今回の決定です。
FRBと逆方向、日本政府の金融緩和継続
それに対して日本の政策はどうかというと、その逆という政策が続いています。9/21の黒田日銀総裁の金融政策決定会合後のコメントでは、目標とする物価上昇率2%を達成するのは距離があるということで、今後も強力な金融緩和を続けるという考えを示しました。
米国の金利が上がり、日本の金利が下がるということになるとお金は金利が高い方に流れますので、ドルが高くなり円が安くなりやすくなるということで 9/21 18:24 時点でドル=112.46円となっております。もちろん為替の動きがこれほど簡単に分析できるものではありません。先日は、北朝鮮のミサイルの発射から一時海外に投資しているリスク資産を換金して日本に戻すという動きがあったために円高に振れた場面もありました。今回の米国の量的緩和の終了はある程度予想されていた中で、ここ数日円安の動きがありました。その発表があった訳ですから一度修正の円高の場面も予想されて当然だと思います。
外国人投資家は低金利である日本の国債を保有し続けるか
しかし、目先の為替レートの動きも注意しなければならないポイントですが、アメリカの金利がこれからどのどん上がる。日本の金利は上がらない。そして為替が円安になるという方向性がマーケット上で出来上がってしまった場合、外国人投資家は金利の低い日本の国債を保有し続けるだろうか?為替が円安になり為替差損が発生する恐れのある日本の資産を保有し続けるだろうか?ということです。
金利の動向とリスクについて再度注意を払う段階かと思います。
熊田昌彦/MAC
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