福島県の福島第一原子力発電所ならびに廃炉資料館へ視 察に伺う機会がありました。
福島県出身の私は以前より興味のあるところでした。
事前にいろいろな資料を読み、 YouTubeで勉強してから訪問しました。
ポイントはズバリ2点でした
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1.処理水問題
2.なぜ「最悪のシナリオ」を回避できたか
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【処理水問題】
原子力発電の燃料が溶けて固まったものをデブリと言います。 これは放射性物質を含んでいます。放射性物質はいくつもの種類がありますが、 代表的なものがセシウムとストロンチウムであります。これらについては除去技術があるおかげで、 かなりの部分技術で除去することができます。
そしてもう一つ、トリチウムというものがありますが、 これが厄介ものになります。これは水に近い物質でトリチウムだけを取り除くのは非常に難しい と言われています。
そこで、
メディアでも話題になっていた「処理水問題」 がここで出てきます。
現状をみてみましょう。
まず、資料(1)では、 国や世界の安全基準と照らし合わせてみていますが、 福島第一原発の放出している処理水は基準よりも大幅に低いことが 言えます。
次に、資料(2)では、 他国の原子力発電所のトリチウム放出量をみています。 各国別との比較をみても日本の放出量がいかに同じことがいえます 。
資料(1)「トリチウム濃度の安全基準」
・国の安全基準:60,000ベクレル/L 以下
・WHO飲料水基準:10,000ベクレル/L 以下
・福島第一原発:1,500ベクレル/L 未満 ←←←
資料(2)「年間のトリチウム放出量の比較」
・韓国吉里原発:48兆ベクレル/L
・中国陽江原発:112兆ベクレル/L
・イギリス セラフィールド再処理施設:186兆ベクレル/L
・カナダ ダーリントン原発:190兆ベクレル/L
・フランス ラ・アーグ再処理施設:10,000兆ベクレル/L
・福島第一原発:22兆ベクレル未満/L ←←←
【なぜ「最悪のシナリオ」を回避できたか】
世界の原子力の専門家が事故当時、「 チェルノブイリの10倍もの力がある。 関東近辺まで人が住めなくなる」と予想したものが、結果はそうならなかったのはなぜでしょうか?
初めに、事故が金曜日に起きたことが挙げられます。これが土日でしたら、当直の方のみが現場にいることになり、 人数が相当に少なかったと考えられます。あの事故をテレビの映像で見た社員が現場に戻れるかと言えば、 難しかったのではないかと想像がつきます。
次に、最終的には69人が現場に残ったということですが、 事故の瞬間から対応していたからこそ、対応できたということが実は大きな要因だったということです。所長の吉田昌郎氏は人望が厚く、 彼が指揮していたから全員がまとまることができたとも言われてい ます。彼ら全員プロですから放射能の恐ろしさは理解しています。そこに人間が入り、 手動での作業をするということもあったということです。どれほど難しい決断だったかと考えると、 本当に辛いものがあります。
最後に、 米国はアメリカ国民に対して現場から80km以内は避難指示を出 していましたが、“友達作戦” と称して人的にも物資も機械も相当な援助をしてくださったという ことです。
【視察を通じて痛感したこと】
あれほどの事故が起こると人間がいかにちっぽけなのか痛感します。
本内容はYouTubeチャンネルでも話をしております。
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熊田昌彦/Masahiko KUMADA
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【福島県出身であること】