【ブログ】ヘッジファンド 戦略

オルタナティブファンドの運用戦略について述べてみたいと思います。
運用戦略については、ファンドの数だけ全く異なる戦略があるというのが結論ではありますが、以下、代表的な運用戦略について列挙していきたいと思います。

合併アービトラージ

乗っ取りや他に似たようなリストラクチャリングを公表している企業へ投資を伴う運用戦略。それはしばしばイベントドリブン運用あるいはスペシャルシチュエーション運用と呼ばれている。

買い(ロング)と売り(ショート)の組み合わせ

割安な証券を買って割高になっている証券を空売りする運用戦略。これらのファンドはテクノロジー産業やヘルスケア産業といった一つのセクターに限定して運用しているものもあれば、より広範囲を対象としているものもある。

マーケット・ニュートラル

おおむね10%から15%の年間収益率を目標に安定して変動の少ない成果を生み出そうとする運用戦略。その戦略にはロング/ショート運用(市場の買いと空売りを同額で行う)、様々なオプションや先物を使った運用、また転換社債を使ったヘッジ(転換社債や優先株の購入と、原資産となる普通株式の空売りなど)が含まれる。“マーケットニュートラル”の一つの問題点はその肩書き自体にある。債券を利用する投資戦略は債券債券市場に影響を受け、株を利用する投資戦略は株式に影響を受けるので、投資家はそれぞれの投資戦略に特有の詳細な事柄について分析しなくてはならない。

ディストレス証券

再編下にある企業の証券(通常は債券)の購入、しばしばヘッジファンドマネージャーのマネージャーによる再編手続きそのものへの積極的参加を伴う投資戦略。
これもまたイベントドリブン投資、あるいはスペシャルシチュエーション投資と呼ばれている。

商品

商品取引に集中する運用戦略。

通貨

様々な通貨の相対的価格の短期的な変動から利益を得ようとする運用戦略。

グローバル運用、マクロ運用

基本的にグローバル(あるいはマクロ)運用は、レバレッジを効かせどんなことでも行うことが許される。例えば、ファンドマネージャーは特定の株式あるいは株式市場全体のロングポジションを全て同時に持つ事ができる。投資機会が見つかる可能性があれば、どのような所であろうとその機会を利用するために、投資家は個々のファンドマネージャーに依存することになる。

エマージングマーケット

エマージングマーケット運用は、新興国とみなされている国、即ち北米・西ヨーロッパ・日本・ニュージーランド・オーストラリア以外のほとんどの国の債券・株式市場で政府や企業が発行する債券や株式を購入することで成り立っている。

空売り

この戦略は、安い価格で買い戻すことが期待できる割高な債券を借り入れて、売却することで成り立つ投資戦略。得ることのできる最大のものは証券を売却した時に受け取る金額であり、しかも少なくとも理論的には、失う可能性のある金額は無限大であることから、本質的に非常にリスクの高い戦略である。

短期トレーディング

この投資戦略は株、時には債券で短期売買を行う投資戦略。この戦略は迅速なポートフォリオの回転という点で特徴があり、しばしばレバレッジの利用を伴うコンピュータの計量モデルが利用される場合もあるが、たいてい短期あるいは中期的トレンドを捉えようとする。個々人によって行われる。多様なヘッジファンドの投資戦略の中でも、この戦略は巨額の資金に適用することが可能である

ボラティリティー運用

この投資戦略では、投資家は市場が上昇するか下落するかは関係なく、激しく変動するだろうということに賭けていることになる。
ボラティリティ運用は変動の激しい市場では極めて高い収益を生むことができるが、狭いレンジで推移するフラットな市場や不規則な市場ではあまり機能しない。

 

上記のように運用戦略は多様なアプローチがあります。

共通項はバイアンドホールドといった伝統的な運用方法を使わず、
運用成果が株式市場と高い相関関係を持つものはほとんど無いという事です。
さらに重要なのは、運用戦略と運用戦略の間にも相関関係は無いということです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上、運用戦略の種類について述べさせていただきました。
今後商品を研究するごとに個別運用戦略への理解を深めていただければ幸いです。

また、私事でありますが、2002年12月8日より2003年1月末まで約2ヶ月イギリスを中心に行ってきます。
もちろんオルタナティブ運用に関する研究と仕事が目的です。

熊田昌彦/MAC

✉お問い合わせ、お待ちしています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です